都立高校入試分析 共通2023

2023年 共通入試問題  数学講評

2023年都立共通入試問題数学で最も難しい問題は「4 問3 平面図形 面積比」の問題になります。
面積比の問題は、昨年も出題されており、正答率が2.3%でした。毎年、「4 問3 平面図形」は難しい問題が出題されています。ここの問題を取ることで、第一志望合格が一層近づきます。
面積比が難しい理由は2点あります。

①複数の図形の形を考える
②連比(割合)の計算

他の大問も講評させていただきます。。
「①複数の図形の形を考える」に対しては、必要な部分の図形を描きだすことで対応できます。必要な部分がどの図形なのかを抽出するトレーニングをしていきます。
「②連比(割合)の計算」に対しては、基準となる比を決めて、式を変形していくとスムーズに計算ができます。計算は慣れが必要なので、日々の計算は大切になります。

そのほかの問題については、「1 小問集合問題」は全ての問題が昨年と同じ単元からの出題でした。全問正解したい問題です

「2 文字式の利用」は整数か図形のどちらかが出題されますが、今年は図形に関する問題が出題されました。おうぎ形に関する問題なので、公式がしっかりと覚えていたかがポイントになります。

「3 関数問題」は二次関数か一次関数のどちらかが出題されますが、今年は、一次関数が出題されました。特に、点数の差がつく「問3」は、面積に関する問題でした。関数における図形の面積は必須問題なので、解きやすい問題でした。

「5 空間図形」は正四面体に関する問題でした。正答率が毎年低くなる「問2」は昨年と同じく体積を求める問題でした。しかし、昨年のように、切断することもなく、オーソドックスな「底面積×高さ×1/3」の計算なので、昨年よりは解きやすい問題でした。

全体的に難しい問題と易しい問題がはっきりしているので、易しい問題をケアレスミスをしないように解くことが大切になります。
そのためには、普段から時間制限を設けたり、途中式を丁寧に書く習慣をつけていきましょう。

2023年 共通入試問題 国語講評

2023年の国語の入試問題は例年通り、大問は漢字読み書き、小説、論説文、200字作文、説明文の問題となりました。

出典作品は下記になります。

3 小説 「旅立ちの日に」 :清水晴木

4 論説文 「情報とウェルビーイング」:信原幸弘

5 説明文 「源氏物語をめぐって」:円地文子、吉田精一

「枕草子研究」:塚原哲雄

1、2 漢字の読み書き

読みでは「河畔」を「こはん」と読み間違えないように気をつけましょう。

書きでは、特に難しい漢字はありませんでしたが、

「2⑴ 体力テストでハンドボールをげる」と出題されました。

この問題は過去に2015年(平成27年)、2006年(平成18年)にほぼ同じ文で出題されていました。このように、同じような問題が出題されますので、漢字については、先ず過去20年を復習するべきです。

3 小説 「旅立ちの日に」 :清水晴木

あらすじ

挫折し故郷に帰ってきたバレリーナと寄り添う書道の先生のお話で、主人公のバレリーナが書道の先生と過ごすうちに、前向きに未来を考えるようになる物語です。

心情変化がわかりやすく、選択問題も迷うことなく選択できる問題です。満点を狙いたい問題です。

4 論説文 「情報とウェルビーイング」:信原幸弘

内容

情報は信頼性が命であるとされるのに、いま世の中ではネットを中心にフェイクニュースがあふれている。フェイクニュースは大量に生産され消費されているが、人々は行動に役立てるのではなく、ほとんど「娯楽」として消費している。果たして私たちのウェルビーイングを向上させるのだろうかと筆者は問ている

筆者はAIとの同化ではなく、共生を訴えています。AIについては入試問題の定番のテーマで、何度も出題されてきた内容になります。事前に、AIについての問題点、改善点を抑えておけば文章もスムーズ読めて、問題も迷うことなく選択できる問題です。

5 説明文 「源氏物語をめぐって」:円地文子、吉田精一

「枕草子研究」:塚原哲雄

自然を繊細な感覚で描いている枕草子と、対象に自己を同化し細やかな心情で自然を表現している源氏物語について述べている文章です。

問題内容は、過去5年、文法問題か現代仮名遣いの問題がどちらか出題されていましたが、2023年は初めて文法問題(助詞「に」の分別)と現代仮名遣いの問題が一緒に出題されました。国語の問題で、漢字とともに事前に対策ができる問題なので確実に得点を取ります。

2022年 都立共通入試 英語講評

1.選択肢から答えを予測する   リスニング問題:小問数5

例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形でした。問題Bはカナダの中学生によるスピーチで、その内容に関する選択問題と英文記述問題でした。

2.丁寧に読み図表の情報を正確に読み取る   図表の読み取り(約650語):小問数4

1と2は、留学生と日本人の高校生による対話文の内容について、図表などを用いて、本文中の空所に補う語句の組み合わせとして適切なものを選ぶ問題でした。対話文の内容から図表の必要な情報を素早く理解する力が必要となります。3はその留学生が送ったEメールについて内容と一致する英文を選ぶ問題と、Eメールへの返信の一部を、3つの英文で書く英作文問題でした。全体的に2021年よりも文章の語数が200語ほど増えており、特に対話文の単語数が多くなっていました。

3.下線部は文の前後をよく読む   対話文の読解(約650語):小問数7

3人の高校生とアメリカ出身の留学生による、目標の達成の仕方についての対話文でした。例年通り、問1~問5は本文中にある下線部の内容に関する選択問題でした。問6は昨年と問題形式が変わり、空所に単語を選ぶ問題から4つの英文を本文の流れに沿って正しく並べかえたものを選ぶ問題に変わりました。問7は日記の一部に入る適切な語の組み合わせを選ぶものでした。問題をしっかり読み、文章の中から適切に単語を見つけることが大切になります。

4.最初と最後の文が物語のキーセンテンス    物語文の読解(約660語):小問数7

美化委員会の会長になった高校2年生の主人公の苦悩と成長を描いた物語文でした。問1は下線部の意味、問2は4つの英文の並びかえ、そして問3、問4は本文の内容理解に関する問題でした。主人公の心情の変化を意識しながらスムーズに内容を把握できたかどうかがポイントになります。

2023年都立高校入試講評 理科

Cランクの問題は、濃度と密度、湿度計算、イオン数の変化について、直列回路、並列回路が、難易度が高かった問題です。原則として、計算式の問題が難でありました。

ただ、毎年恒例の問題なので、試験慣れしている生徒にとっては、点数獲得のチャンスであったと思います。

当塾の生徒においては、計算式プリントとイオンプリントにおいて、何度も反復させていただきました。

A 易しい   B 普通  C 難しい

2023年都立高校入試講評 社会

今年度の社会は、非常に難易度が高かったです。

点差の開く問題のみ、「難」のマークを付けました。

なお、線が引いてある問題は、社会の入試において初めて問われた内容です。(過去問20年)

当塾生徒において、標高差、オマーン、フォッサマグナ、貨物ターミナル、大阪紡績会社、介護報酬、固定資産税、社外取締役、セポイの反乱、アフリカ横断鉄道においての基礎知識がある生徒が高得点を獲得しました。