清少納言 枕草子
現代語訳
(正月)七日の若菜を,六日に人が持ってきて,騒いで取り散らかしたりなどしていたところ,見たこともない草を,子どもが取って持ってきたのを,「これは何という(草な)の」と尋ねると,(子どもたちは)急にも答えないで,「今すぐお答えします」などと,お互いに顔を見合わせて(いたが,やがて),「耳無草といいます」と言う者がいたので,「なるほど,そうだったのね。(尋ねても)聞かない顔をしていたのは」と笑うと,またたいそう愛らしげな菊が,生え出ていたのを持ってきたので,摘んでもやはり耳無草はかわいそうだ。たくさん(草が)あるから(その中には,聞く耳を持った)菊もあったのだった。と言いたかったが,またこれもわかりそうもない。
1内容理解「「むべなりけり」と言った理由」という設問において、記述式の答えの攻略法
「むべなりけり」とは、古典文学においてよく使用される表現の一つで、平安時代の日本文学に頻出します。これは「そうだったに違いない」「それはそうだったのだ」といった意味を持ち、確信や回想、反省などを表現する際に使われる。
設問「「むべなりけり」と言った理由」に対する記述式の答えにはいくつかの落とし穴があります。
落とし穴
- 意味の誤解:「むべなりけり」の意味やニュアンスを理解せずに答えること。
- 文脈の無視:「むべなりけり」は使用される文脈によって微妙にニュアンスが異なる場合がある。文脈を無視して一般的な意味だけで答えると、不正確な答えになることがある。
- 詳細の欠如:答えが簡潔すぎて、詳しく内容を説明しない場合。
攻略法
- 基本的な意味の確認:「むべなりけり」の基本的な意味をしっかりと理解する。
- 文脈の理解:該当する文章やその前後の文脈をしっかり読み、なぜ「むべなりけり」と表現されたのか、その背景や状況を把握する。
- 具体的な事例を元に説明:「むべなりけり」が使われる具体的なシチュエーションや事例を引用して、その理由や背景を詳しく説明する。
- 簡潔でわかりやすい言葉を使用:余計な言葉を使わず、要点をしっかりと伝えるよう心掛ける。
はなわ 子どもたちが見たことのない草を持ってきた。草の名前を尋ねたが答えない。一人が「耳無草」と言った。耳無草=聞く耳を持たない。だから子どもたちがすぐには答えなかった。
2歴史的仮名遣い「「あはれ」の現代語での表記」という設問においての攻略法
「あはれ」は古典文学や歴史的仮名遣いで使われる言葉で、現代語での表記は「あわれ」となります。
設問「歴史的仮名遣い「「あはれ」の現代語での表記」に関する攻略法を以下に示します。
落とし穴
- 直感的な回答:「あはれ」の音をそのまま現代語として書き下ろしてしまい、正しい現代仮名遣いを適用しないこと。
- 他の歴史的仮名遣いとの混同:他の歴史的仮名遣いの単語と混同して、間違った現代語の表記を選択すること。
- 過度な修正:「あはれ」がすでに現代仮名遣いに近い形であるため、不要な修正を加えてしまうこと。
攻略法
- 歴史的仮名遣いの理解:歴史的仮名遣いと現代仮名遣いの違いを理解することが基本です。特に、母音「え」と「わ」の混在が見られる単語の変遷に注意が必要です。
- 単語の意味を知る:「あはれ」や「あわれ」の意味や使用例を理解することで、文脈に応じて正しい仮名遣いを選択する手助けとなります。
- 綴りの変化を確認:歴史的仮名遣いの時期と現代仮名遣いの時期における特定の単語の綴りの変化を確認することで、他の単語にも適用できるようになります。
- 古典文学の読解:古典文学や歴史的文献を読むことで、歴史的仮名遣いに慣れることができます。特に、「あはれ」という言葉は、古典文学、特に平安文学でよく見られるため、そのような文献と接することが有益です。
- 例文の活用:「あはれ」を使った古典文学の例文や現代文の例文を参照することで、文脈に応じた適切な仮名遣いを身につけることができます。
3内容理解「「聞き入るべうもあらず」と言った理由」という設問において、記述式の答えの攻略法
「聞き入るべうもあらず」という言葉は、中古日本語の文献などに見られる表現で、「深く聞き入る価値がない」「分かりそうもない」というような意味を持ちます。
「聞き入るべうもあらず」と言った理由に関する設問を扱う際の落とし穴と攻略法を以下に示します。
落とし穴
- 表現の意味の誤解:「聞き入るべうもあらず」の正確な意味やニュアンスを把握せずに答える。
- 文脈の無視:この表現は使用される文脈によって、意味合いが微妙に変わることがあります。文脈を無視して答えると不正確になる可能性がある。
- 過度な推測:具体的な背景情報や文脈が不足している場合、答えを推測すること。推測は時に誤解を招く可能性がある。
攻略法
- 基本的な意味の確認:「聞き入るべうもあらず」の意味をしっかりと理解する。
- 文脈の把握:該当する文章やその前後の文脈をしっかり読み取ることで、なぜ「聞き入るべうもあらず」と表現されたのか、その背景や状況を理解する。
- 具体的な事例を元に説明:該当する文の中や周囲の文脈から、具体的な事例や情報を引用して、その理由や背景を詳しく説明する。
- 簡潔に答える:冗長にならず、要点を明確にして答える。余計な情報や推測を避け、文脈や事実に基づいて答える。
はなわ 菊を持ってきた子どもがいた。「その中には,(聞く耳を持った)菊もあったよ」歌を詠んだ。菊と聞くを掛けている。和歌の知識がない子どもにはわからないだろう