2021年筑波大学附属駒場高校国語

全問記述式です。

村田沙耶香「多様性って何だ?気持ちよさという罪」

中学生のころ、「個性」という言葉が浸透し始めたが、これは大人たちが想像内の範囲の「個性」のみを認め、異質なものを排除する意味合いが強かった。大人になり、「多様性」や「狂ってる」という言葉が使われるようになったことで、異質である自分を隠さずに生きられるように感じた。しかし、テレビ出演時に自分のあだ名「クレージーさやか」を使われることを許してしまい、人々を笑わせるキャラクターとしてのラベリングは、多様性の受容とは反する行為であったと気づいた。その行動が他者を傷つけたことを反省しており、多様性を真に受け入れる社会を望んでいる。

記述式のポイント

要点の抽出:文章全体から主要な情報や事実を速やかに抽出する。

傍線部の位置確認:文章のどの部分が強調されているかを特定。

文脈の理解:傍線部の前後の文脈をしっかり読む。

簡潔にまとめ:答える内容を最もシンプルな形でまとめる。冗長な表現は避ける。

要点の抽出のポイント

①タイトル・見出しの確認:テキストの大まかな内容や目的を速やかに把握します。

②序盤と終盤を重点的に:多くのテキストは序盤でその内容の要約や目的を示し、終盤で結論を述べることが一般的です。

③太字やイタリック:強調された部分は重要なポイントであることが多い。

④数字やリスト:具体的な数字や箇条書きになっている部分は、重要な情報が含まれている可能性が高い。

⑤繰り返しの確認:同じ情報やキーワードが繰り返し言及される場合、その情報はテキストの主要なポイントである可能性があります。

⑥感情的な言葉や強い表現の特定:作者の意見や主張が強く反映されている部分を特定するため。

⑦サマリー・概要の探索:文章にサマリーや概要、結論があれば、そこには要点がまとめられていることが多い。

⑧メモを取る:読み進めながら、重要だと思われる情報やフレーズに印をつけたり、短いメモを取る。これにより、後で要点を確認しやすくなります。

⑨問いかけの認識:テキストが何らかの問いを提起している場合、その問いとその答えには重要な情報が含まれることが多い。

1文章内容「傍線部の内容の理由を文章全体を踏まえて答える」という設問において、記述式の答えの攻略法

「傍線部の内容の理由を文章全体のを踏まえて答える」という設問には、以下のような落とし穴や攻略法が考えられます。

落とし穴

  1. 文脈を見落とす:傍線部に集中しすぎて、文章全体の流れや文脈を見落としてしまうことがある。
  2. 細部に捉われすぎる:文中の一部の情報だけにとらわれ、大局的な視点での理解を欠いてしまうことがある。
  3. 自分の先入観を持ち込む:自分の既存の知識や考えに基づいて、文章の内容を解釈してしまうことがある。
  4. 文章の意図を読み違える:著者の意図や文章の目的を正確に捉えられずに答えてしまうことがある。

攻略法

  1. 全体をまず読む:文章全体の流れを掴むために、まず全体を一読することが大切。傍線部の内容がどのような位置付けになっているのかを理解する。
  2. キーワードを抽出:文章中の主要なキーワードやフレーズを抽出し、それらがどのような関係性を持っているのかを整理する。
  3. 著者の視点や立場を考慮する:文章を読み解く際、著者が何を伝えたいのか、どのような立場や視点から書いているのかを考慮する。
  4. 答えを再確認する:一度答えを導き出したら、再度文章全体を見返し、答えが適切であるかどうかを確認する。
  5. 自分の言葉でまとめる:文章の内容を自分の言葉で簡潔にまとめることで、理解度を深めることができる。

このような攻略法を駆使して、文章の理解を深めることで、傍線部の内容の理由を的確に答えることができるようになります。

2文章内容「傍線部の内容を具体的に指摘する」という設問においての、記述式の攻略法

「傍線部の内容を具体的に指摘する」という設問に関して、以下にその落とし穴と攻略法を示します。

落とし穴

  1. 曖昧な回答:「具体的に」という要求に応えられず、抽象的な回答をしてしまうこと。
  2. 過度な情報の提供:傍線部の内容だけを指摘すればよいのに、不要な背景情報や関連情報を答えてしまうこと。
  3. 言葉の意味を誤解:傍線部の言葉やフレーズの意味を誤解し、それに基づいて回答してしまうこと。
  4. 自己解釈を混入:傍線部の内容をそのまま指摘するのではなく、自らの解釈や意見を混入してしまうこと。

攻略法

  1. 言葉の定義を確認:傍線部に含まれるキーワードや専門用語の意味を確認し、誤解のないようにする。
  2. 回答の構造を明確に:「何を」「どのように」という構造で回答することで、具体的な内容の指摘を明確にする。
  3. 文章を数回読み返す:傍線部の内容をしっかりと理解するために、何度も読み返すこと。
  4. 自己解釈を排除:客観的に傍線部の内容を捉え、自らの意見や解釈を混入させないように注意する。
  5. 簡潔にまとめる:余計な情報や背景を削除し、要求されている「具体的な内容の指摘」だけを回答する。

「具体的に指摘する」という設問は、文章の内容を正確に捉え、それを的確に伝える能力が問われるものです。攻略法を活用しながら、設問の要求に忠実な回答を心がけることが大切です。

3文章内容「傍線部の指す意味を文中の言葉で説明する」という設問においての、記述式の攻略法

「傍線部の指す意味を文中の言葉で説明する」という設問は、文の中での用語やフレーズの意味を直接的に理解し、それを文章の他の部分から取り出した情報で説明する能力が求められます。以下に、この設問に関連する落とし穴と攻略法を示します。

落とし穴

  1. 自己解釈を混入: 文章の外部の知識や自分の解釈を基に回答してしまうこと。設問は文中の言葉で説明を求めているため、外部の情報は不適切です。
  2. 文脈を無視: 傍線部の言葉やフレーズを文中の他の部分との関連性なしに説明してしまうこと。
  3. 不完全な説明: 必要な文中の情報を省略してしまう、または過度な情報を提供すること。
  4. 言葉の意味を誤解: 傍線部やその他の部分の言葉やフレーズの意味を誤解してしまうこと。

攻略法

  1. 文全体をよく読む: 傍線部の意味を文脈で捉えるために、文章全体をまずよく読む。
  2. 関連する部分を特定: 傍線部に直接的に関連する文やフレーズを特定し、それをベースに説明を構築する。
  3. 説明の構造を明確に: 「傍線部は、文中の『この部分』によれば、『このような意味』である」という形式で答えることで、明確な説明ができる。
  4. 冗長な情報を排除: 文中の言葉での説明を求められているため、余計な情報や解釈は排除する。
  5. 自己確認を行う: 回答が文中の言葉だけを用いていて、傍線部の意味が正確に説明されているかを確認する。

この設問は、文章の中での情報のみを用いて、傍線部の意味を正確に説明する能力を試すものです。そのため、文脈の理解と、文中の情報を適切に用いることが重要となります。

4文章内容「傍線部の理由について二つの文章を書く」という設問においての、記述式の攻略法

「傍線部の理由について二つの文章を書く」という設問は、読解力と分析力の両方を試すものです。この設問においての落とし穴と攻略法を以下に示します。

落とし穴

  1. 一方的な理由の提供:傍線部に関連する理由を一つしか挙げず、または関連性の薄い二つの理由を挙げてしまうこと。
  2. 文脈を無視:傍線部の前後の文脈や全体の文の流れを考慮せずに理由を書いてしまうこと。
  3. 主観の混入:自分の考えや感じたことを理由として書いてしまうこと。
  4. 答えの重複:異なる表現で同じ理由を二つとして書いてしまうこと。

攻略法

  1. 全文を理解する:まず、文章全体の内容と流れを理解する。傍線部が文章の中でどのような位置付けになっているかを掴む。
  2. キーワードやフレーズを特定:傍線部に関連するキーワードやフレーズ、文節を特定する。
  3. 文中の根拠を探す:傍線部の内容に対する明確な根拠や背景となる情報が文中にあるか探す。
  4. 異なる観点から考察:一つの理由が明確になったら、別の角度や観点からも傍線部の理由を考察する。
  5. 文章を明瞭に書く:二つの理由を明確に、簡潔に表現する。冗長な情報や重複は避ける。

この設問では、文章の内容をしっかりと理解し、それに基づいて論理的に理由を導き出す能力が試されています。文脈を十分に考慮し、客観的な視点で答えることが求められます。

5文章内容「文章のキーワードの文章中の別の表現を探す」という設問においての、記述式の攻略法

「文章のキーワードの文章中の別の表現を探す」という設問は、文章の中での言葉の使い方やそのバリエーションを正確に把握する能力が求められます。以下に、この設問に関連する落とし穴と攻略法を示します。

落とし穴

  1. 直接的な表現のみを探す:明確な同義語や類似語のみを探し、メタファーや比喩、暗喩といった間接的な表現を見逃してしまうこと。
  2. 文脈を無視:キーワードと似ている言葉を見つけたとしても、文脈上でのニュアンスや意味が異なる場合がある。
  3. 全文を読まない:文章の一部分のみを読んで、他の部分にある別の表現を見逃してしまうこと。
  4. 過度な推測:文章中の表現がキーワードと同じ意味かどうか不明確な場合、自分の解釈を過度に持ち込んでしまうこと。

攻略法

  1. 文章全体を読む:まず、文章全体の流れや内容を把握する。キーワードの別の表現がどの部分にあるかの手がかりを得る。
  2. 文脈を考慮:キーワードに関連する文や節を特定し、その文脈の中での表現を探す。
  3. 間接的な表現も探す:キーワードの直接的な同義語や類似語だけでなく、比喩や暗喩などの間接的な表現も考慮する。
  4. 確認を繰り返す:見つけた表現がキーワードの別の表現として適切かどうか、文脈を踏まえて何度も確認する。
  5. 答えの説明:キーワードの別の表現として挙げた部分が、どのようにそのキーワードの意味と関連しているかを簡潔に説明する。これによって、答えの正確性や信頼性を向上させることができる。

この設問においては、文章の全体的な理解と、キーワードとの関連性を持つ部分を正確に特定することが重要です。

6文章内容「文章の主題を自分の言葉で表す」という設問においての、記述式の攻略法

「文章の主題を自分の言葉で表す」という設問は、文章の中心的なメッセージやテーマを把握し、それを簡潔かつ正確に再表現する能力が試されるものです。以下に、この設問の落とし穴と攻略法を示します。

落とし穴

  1. 細部に囚われる:文章の中の具体的な詳細や例を主題と誤解してしまうこと。
  2. 過度な短縮:文章の主題をあまりにも簡潔にして、重要な要素を欠落させてしまうこと。
  3. 過度な拡張:余計な情報や自分の解釈を加えすぎて、原文の主題から逸れてしまうこと。
  4. 直接的な引用:主題を自分の言葉で表現するのではなく、文章から直接的に引用してしまうこと。

攻略法

  1. 全文の理解:まず、文章全体をじっくりと読むことで、中心的なメッセージやテーマを把握する。
  2. キーポイントの特定:文章中で特に重要なポイントや繰り返し出てくるフレーズを特定し、これを主題の手がかりとする。
  3. 要約のスキル:文章を短く要約する練習を行うことで、主要な内容を効果的に抽出する技術を養う。
  4. 自分の言葉での再構築:特定したキーポイントを元に、自分の言葉で文章の主題を表現する。このとき、自分が理解した内容が他者にも伝わるような明確な言葉を選ぶことが重要。
  5. フィードバックの収集:自分の表現した主題を他者に確認してもらい、そのフィードバックを元に修正や調整を行う。
  6. 繰り返し練習:異なる文章の主題を定期的に自分の言葉で表現する練習を行うことで、この技術を磨くことができる。

「文章の主題を自分の言葉で表す」設問においては、文の中心的なメッセージを的確に把握し、それを簡潔かつ明確に表現するスキルが求められます。上記の落とし穴と攻略法を参考に、この能力を高めることができます。