教育改革 小学校

教育改革 小学校

小学校の教育改革について

新学習指導要領

学校教育法に基づき、文部科学大臣が告示します。
ほぼ10年毎に改訂されています。(時代の変化や子供たちの状況、社会の要請などを反映させるため)
2017年の改訂で8回目の改訂となります。
2017年に採択、2020年から小学校で施行されました。

【主な改訂】
・新しい目標・内容として「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性など」の3つの能力を設定

「主体的・対話的で深い学び」(知識の理解の質を高め資質・能力を育む)を重視

・各学校で実態に合わせたカリキュラム・マネジメントを導入(教科横断的な視点で教育内容を組み立て、PDCAサイクルと回して改善を図り、教育活動に必要な人的物的資源(外部も含める)を活用しながら教育活動の質の向上を図ること)

今回の改訂で新たに追加されたのは、外国語教育の充実情報活用能力(プログラミングを含む)の充実です。これに伴い、総授業時間が増加しています。

表 小学校における授業時間の変遷

主体的・対話的で深い学び

大きなテーマとして「アクティブラーニング」が唱えられていました→最終的に「主体的・対話的で深い学び」という表現になりました。

小学校学習指導要領解説総則編での、「主体的・対話的で深い学び」についての解説です。

以下の三つの視点に立った授業改善を行う

① 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付け
ながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って
次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。

② 子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かり
に考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現
できているかという視点。

③ 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた
「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解し
たり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考え
たり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現
できているかという視点。

英語の教育改革

・小学校での英語の「教科化」(成績をつけること)
・将来の中学、高校で「読む・書く」の2技能ではなく「読む・聞く・書く・話す」 の4技能を評価する
・小学校3,4年生に年35時間の「外国語活動」
・小学校5,6年生に年70時間の教科としての「外国語科」が新設
・「外国語科」は教科としての扱いなので、国語や算数のように成績がつく授業となります。

小学校で外国語科が開始されるに伴い、目標の習得語彙数も変更されます。

目標の習得語彙数

評価方法

小学3,4年の「外国語活動」
「数値ではなく、文章などの記述による評価」

小学5,6年の「外国語科」
「他教科と同様、数値による評価」

1.「知識・技能」
2.「思考・判断・表現」
3.「主体的に学習に取り組む態度」
の3つの観点から評価します。

⑤国語の教育改革

国語の新しい学習指導要領(平成29年度告示)の、現行の学習指導要領(平成20年度告示)からの変化

【目標】

【内容】

「語彙力を伸ばす学習」が充実
「小学校低学年の学力差の背景には語彙力の差がある」という指摘が中央教育審議会答申でなされました。言葉の意味や使い方を理解するための学習が今後充実されます。

「情報を整理する能力を高める学習」が充実
「教科書の文章を読み解けていない」という指摘が中央教育審議会答申でなされました。文章に書かれている情報を適切に読み取り、整理・表現していく力を伸ばす学習が充実されます。

「考える力」をつける学習
すべての領域(「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」)で「自分の考えを持つ」ことが重視されます。

都道府県名で用いる漢字を4年生で学習
日常生活での必要性から、都道府県名で用いる漢字20字が新たに4年生の配当漢字に加わります。

読書活動が充実
「読書は国語の資質や能力を高めるうえで重要である」とする指摘が中央教育審議会答申でなされました。「読むこと」とあわせて、学校図書館の本を利用した学習活動が増えるようになります。

⑥算数の教育改革

算数は国語と並び、小学校教育の柱となる教科のため、授業時間も多くとられています。

表 各教科等の授業時数

小学校算数は、新しい指導要領で下記の領域が変更されました。

算数教育要領の主な改定ポイント(6年生の例)

・複数の帯グラフの比較
・統計的な問題解決の方法
・対称の軸
・対称の中心
・比の値
・ドットプロット